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超音波流速計による土砂動態調査

超音波流速計による新しい土砂動態調査手法を確立しました。

超音波流速計は、流向・流速を鉛直多層にわたって連続的に測定することのできる計測機器です。本調査手法は、超音波流速計から出力された音波の反射強度と浮遊土砂濃度との相関が高いことに着目し、その性質を利用して土砂濃度を推定する方法です。これにより、1台の超音波流速計から河川などの断面通過土砂量を長期的に把握できるようになりました。

この調査手法は、土砂移動状況を把握するうえで非常に有効な手段です。

■新しい調査手法の3つの利点■

超音波流速計

1.連続観測が可能

通常の採水分析による調査では、労力の点で連続観測が不可能です。

2.土砂移動量を詳細に把握

従来の計測機器による調査は1点計測であるため、流れや土砂濃度の分布が時空間的に複雑に変化する場所では不十分です。また、計測機器の設置・係留そのものが漁業や航行船舶の障害となるため非常に困難です。

3.調査コスト削減

1台の超音波流速計で連続的かつ詳細な観測を可能にしたので、従来の採水分析や計測機器による調査に比べ、コストの削減になります。

土砂濃度測定方法の比較 −費用・精度・連続観測−
  費用 精度 連続観測
超音波流速計を用いた方法
定点観測用計測機器を用いた方法
人力採水分析法 ×

超音波流速計の反射強度とSSの関係(熊本県白川河口域の事例)

■超音波流速計を使用した土砂動態調査結果 −熊本県白川河口域での事例−■

ここでは、熊本県白川の河口部で、2001年4月〜2002年3月まで当社が実施した調査結果をご紹介します。本調査により、河川感潮域の河道管理を考えるうえで重要とされる、水塊の流動機構とそれに伴う土砂の輸送堆積機構が明らかとなりました。

白川河口域における淡水流量と河川流量の比較

1.通過流量の推定

超音波流速計の流向・流速値から河川断面の通過流量を算定しました。河口から約12km地点の既知流量(国の公表データ)と比較した結果、非常に良く対応していました。

SSの鉛直分布

2.土砂濃度の推定

超音波流速計の反射強度からSSの鉛直分布を推定しました。濁度用計測機器によって得られたSSの鉛直分布と非常によく一致しており、流速や塩分の変動とも非常によく対応していることが確認されました。

※右グラフの9月4日18〜20時の時間帯(グラフ中↑で表示)に高濁度水塊(Turbidity Maximum)の出現が捉えられています。

土砂移動量

3.土砂移動量の推定

河川断面の通過流量と土砂濃度の鉛直分布から、年間の土砂移動量を計算しました。感潮区間に堆積した浮遊土砂量は、河口域の河岸に多量に堆積した泥質の状況を説明し得る結果となりました。また、測量結果から得られた地形の変化量とも整合性がとれました。

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