【新聞記事】新春TOPインタビュー
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「災害が非常に多かった」と2018年を振り返る。特に西日本豪雨では「発生直後に同豪雨災害対策調整室を設置し、全国から人とともに保有するドローンをかき集めて広島に送った」という。自然災害が頻発化する中で「1つのモデルケースとしてBCP(事業継続計画)も含めて動き方を勉強できた」とする一方、「災害対応は働き方改革との矛盾も出てくる。36協定を越えたところで対応しないと、とても間に合わない」と、33条許可を含め、より弾力的な運用を課題に挙げる。
昨年4月にCIMセンターを設置。AI推進室や建設マネジメント事業グループも設けた。「CIMを構造物だけで考えるのではなく、環境共生型のCIM、言うならば『いであ版CIM』を河川計画などで模索していきたい」と力を込める。AI(人工知能)についても「開発というより何に活用するかという段階だ」と指摘。例えば画像解析では「人間が見るのと同等の100%に近い正答率になってきた」と手応えを語る。「人間と圧倒的に違うのは時間。これは生産性向上や働き方改革に結びついてくる」とし、RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)とあわせ、「AIを業務効率化に使えないか検討している」との考えを示す。
その働き方改革では「働く人間の意識改革に継続的に取り組んできた」ことが『くるみん』『えるぼし』認定につながった。今後も「多様な勤務形態を検討し、できるところから実施していく」考えだ。
新しい中期経営ビジョンがスタートする19年12月期、「最適なインフラストックの維持・更新とCMなどの建設マネジメント、高齢化に対応したまちづくり、防災・減災」を建設系のキーワードに挙げる。環境系では「循環型社会と自然共生。それと地球温暖化に伴うSDGs(持続可能な開発目標)への対応」を重視。また「EEZ(排他的経済水域)内でのエネルギーや海洋資源の開発に関わる調査」にも着目している。
再生可能エネルギーでは、「洋上風力発電とバイオマス発電」分野拡大に積極的に取り組む。特に「洋上風力発電の調査に関する環境アセスメント技術やバードストライク問題に対応した観測技術、クジラなどの海獣の判別技術」と他社にはない強みを存分に打ち出す構えだ。
昨年、創立65周年、設立50周年を迎えた。「ことしは1世紀に向けた第一歩として新たな気持ちでチャレンジしたい」と見据える。