【新聞記事】深海・外洋調査市場拡大/水中ロボ技術開発に意欲/いであ
- IR情報
いであは、水中ロボティクス技術を軸に、拡大する海洋調査市場へのさらなる事業展開を図る。特に深海や外洋調査は「今後のマーケットが大きく期待できる」(田畑彰久社長)として、今春以降に策定作業が本格化する第6次中期経営計画での注力分野に位置付ける考えだ。
1日に開いた2023年12月期決算説明会で田畑社長は、自社が開発・保有するホバリング型AUV(自律型無人潜水機)『YOUZAN』のニーズが高まり、海洋資源開発や遠隔離島での深海の海底環境、生態系調査など複数業務の受注につながっているとした上で、より大きな市場が期待される「海洋環境の見える化」を促進させるための水中ロボティクス技術のさらなる開発に強い意欲を示した=写真。
また、洋上風力発電の計画地が現在の沿岸域中心から沖合に広がることが想定される中で、「豊富な外洋調査の経験と技術開発の成果を生かして、計画段階の調査・検討業務だけでなく、施工段階あるいは完成後のモニタリング調査、水中設備の点検業務、スマート水産技術による水産業支援など、さまざまな分野への展開を図る」と話した。
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)やTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言対応など企業の環境分野での経営課題への包括的なコンサルティングサービスの本格的な提供、流域治水やインフラ老朽化対策への対応にも力を入れて取り組むとした。
現行の第5次中計最終年度となる24年12月期の連結業績は、受注高、売上高ともに前期比3.5%増の235億円、営業利益は11.1%増の31億円を見込む。3カ年のローリング計画では26年12月期の連結売上高245億円を目標に設定している。
田畑社長は、25年12月期からスタートする第6次中計について、「3月の株主総会後にプロジェクトチームを立ち上げて本格的な検討を進めていく」とし、数値目標も「全面的に見直す」との考えを示した。