【新聞記事】いであ/沖ノ鳥島で生物相調査実施/ホバリング型AUV使い海底観察
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いであが、自社開発のホバリング型AUV(自律型無人潜水機)「YOUZAN」を用いて、沖ノ鳥島(東京都)の生物相調査を実施した。東京都による調査事業の一環。海底観察と採水による環境DNA調査を組み合わせて行った。海底観察調査では日本未記録の生物を確認。環境DNA調査では、水深によって生物の種組成が大きく異なることが分かった。
深海での調査はアプローチ手段が限られ、「AUVの画像解析と環境DNAの組み合わせは、多様な生物相を把握するための調査手法として非常に効率的で有効」(同社)としている。
技術広報誌「i-net」で調査結果を公表した。都による「令和4年度沖ノ鳥島・南鳥島に関する研究調査事業」に対して、同社が「沖ノ鳥島周辺海域の海底地形および生物相把握のための研究調査」として提案し、採択されていた。
調査航海は2022年8月に実施。海底観察調査は水深約950~1450メートルの海底面を下向きカメラで撮影し、海底のモザイク写真を作成するとともに生物を調査した。画像から確認された生物は63種類で、日本未記録である深海魚の「チョウチンハダカ属」も確認された。
環境DNA分析は2地点で、表層と水深1000メートル、1700メートルという3層でそれぞれ行った。魚類111種類と甲殻類13種類のDNAが検出された。深海性の種は魚類は水深1000メートルで、甲殻類では水深1000メートルと1700メートルの両方で多く検出された。サンゴ礁に生息する種は表層で検出された一方、深海域ではほぼ検出されなかった。
海洋エンジニアリング(東京都台東区、鬼頭毅社長)の調査船による海底地形調査も行った。