【解析サービス】オオサンショウウオ類の種判別・交雑判定
2026.06.26
オオサンショウウオ(学名:Andrias japonicus)は、日本固有の両生類で、世界最大級の大きさを誇ります。
岐阜県以西の本州と四国・九州の一部の山間部を流れる清流(河川の中・上流域)に生息し、国の特別天然記念物にも指定されている貴重な生き物です。
ところが近年、中国原産の外来種「チュウゴクオオサンショウウオ(学名:Andrias davidianus)」が日本各地に広がり、在来のオオサンショウウオと交配(交雑)してしまうことが深刻な問題になっています。
交雑が進むと、日本固有のオオサンショウウオの遺伝的特性が失われてしまいます。
こうした深刻な影響を受け、2024年7月1日より、日本固有種であるオオサンショウウオ以外のオオサンショウウオ属の種は特定外来生物に指定されました。
さらに、これらの外来種と在来のオオサンショウウオとの交雑個体も、特定外来生物として扱われます。
在来種を守るためには、外来種・交雑個体を正確に見分け、個体群から取り除くことが必要です。
純粋な在来種と外来種は見た目で区別できますが、交雑した個体は外見だけでの判別が難しく、交雑が2世代・3世代と進むほどさらに困難になります。
マイクロサテライトとは、生物のDNA配列の中に存在する特定のパターンのことです。STR(Short Tandem Repeat)やSSR(Simple Sequence Repeat)とも呼ばれます。
具体的には、「CACACA…」「GTAGTAGTA…」のように、2〜5個の塩基のパターン(DNAモチーフ)が繰り返し並んでいるDNA領域を指します。この「繰り返し回数」が、個体・集団・種によって異なるという点が、種の判別に役立つ大きな特徴です。
生物のDNA全体には、このようなマイクロサテライト領域が数万か所以上も散在しているといわれています。
マイクロサテライト分析では、この繰り返し回数の違いによって変化するDNA断片長を調べます。検出されるDNA断片長のパターンを比較することで、種の判別や交雑の有無を推定することができます。
【遺伝の仕組み】子どもは、父親が持つ2セットのマイクロサテライトのうち1セットと、母親が持つ2セットのうち1セットをランダムに受け継ぎます。そのため、親の組み合わせによって子どもの繰り返し回数のパターンが変わります。