生物調査

当社保有の航空機やヘリコプターは、動物を上空から広域的に調査できるため、海産哺乳類や海鳥、シカなど行動圏の広い動物を調査する際に威力を発揮します。対象範囲や目的に応じて、ドローンなどのUAVと使い分けて、効率的な調査が可能です。

目視観察が難しい海産哺乳類（イルカ、ジュゴンなど）などの鳴音を観測機器で捉える受動的音響観測法で、特定の生物の存在確認や移動行動などについての生態を把握できます。

行動圏が広く夜行性の哺乳類や地球規模で渡りを行う鳥類については、一般的な方法ではその生態を把握することはできません。このような種では、個体を捕獲し、発信機を取り付ける調査が有効です。当社ではラジオテレメトリーのほか、GPS発信機やジオロケータなど、さまざまな発信機を活用した調査が可能です。クマ、イノシシ、テン、鳥類などで実績があります。

再生可能エネルギーの普及に向けた風力発電施設の整備では、絶滅危惧種を含む渡り鳥が風車に衝突し死傷するバードストライクが問題となっており、そのほとんどは夜間に起こります。しかし、これまで夜間に高所を飛翔する鳥類を調査する方法がありませんでした。そこで、当社では船舶レーダーを利用し夜間の鳥類の飛翔を定量的に調査する手法を開発しました。さらに渡り鳥のバードストライクを大きく減少させる防除するシステムも開発することに成功しました。これにより、風車によるバードストライク対策を支援します。

クマタカやオオタカなどの希少猛禽類の保全は環境アセスメントの重要な課題です。そのために巣に小型カメラを設置し、繁殖の状況を調査する方法があります。工事があるときとない時の繁殖状況を比較し、巣にいる親鳥の行動に変化があったか、繁殖失敗したときには工事が影響していたかなどが解明できます。