【新聞記事】いであ/熱赤外線カメラ搭載ドローン/港湾海岸保全施設点検に活用
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いであはドローンに熱赤外線カメラを搭載して自動撮影し、施設点検や環境調査を可能とする「位置情報付きの熱赤外線画像点検システム」を実用化した。これまで光学画像のみでは発見や識別が困難だった施設の変状や環境の変化を短時間で広範囲に確認することができる。
港湾施設、海岸保全施設、河川護岸、道路・橋梁、漁港等のインフラ施設は、その多くが高度経済成長期に建設されたため老朽化が進んでいる。また、東日本大震災や能登半島地震等、大規模災害では多くのインフラ施設が被災しており、効率的かつ迅速な点検作業が求められている。こうしたインフラ施設の点検は、主に調査員が目視で行い、時間と労力を要するのが実情。
一方、人口減少や高齢化により調査員の不足が問題となっており、効率的かつ迅速な点検方法の導入が求められている。
海岸保全施設の堤防・護岸等では、表法被覆工や裏法被覆工等のひび割れ等により、堤体土砂の吸出し、堤体の空洞化が生じて堤体が破損することがある。
このため堤体の空洞上部の部材で温度差が生じる特性に着目し、温度を平面的に感知できる熱赤外線カメラを利用して天端被覆工直下の空洞を把握する維持管理が注目されている。いであではドローンに熱赤外線カメラを搭載し、港湾施設や海岸保全施設の点検や環境調査に活用する取り組みを行っている。
同システムでは熱赤外線カメラによる撮影から画像処理までを一貫して行うもので、1回のドローン飛行(約15分)につき約200メートル×100メートル範囲のデータ取得が可能。
また干潟域の環境調査では、熱赤外線モザイク画像を作成することで、干潟生物の生息に影響を与える表層泥の温度の計測が可能。ドローンによる撮影により短時間で広範囲の計測が可能となることから計測時間差による温度変化の影響を低減させるメリットがある。
本件はいであの技術広報誌「i-net」最新号(第70号)に掲載している。