【解析サービス】MIG-seq分析
2025.12.24
MIG-seq(Multiplexed ISSR Genotyping by Sequencing)法は、生物の個体・品種・集団・種間における遺伝的な違いを調べる手法です(Suyama & Matsuki, 2015)。
生物の遺伝的な違いを調べる方法は、従来ではマイクロサテライト分析(※)のような方法がありました。
この方法では、解析に必要な遺伝子マーカーを調査対象とする生物種ごとに事前に設計する必要があり、解析準備に時間もコストもかかるという課題がありました。
MIG-seq法は、遺伝子マーカーの設計が不要であり、原理的にはどのような生物種にも適用できる点が大きな利点です。
なぜ、そのようなことが可能なのでしょうか?
その理由は、真核生物のDNA配列に数万か所以上散在すると言われるマイクロサテライトのような反復配列自体をPCRプライマーとして利用しているからです。
言い換えると、マイクロサテライト分析は、マイクロサテライトの両端を挟むようにPCRプライマーを設計し、その間にある反復配列の繰り返し数を調べますが、MIG-seq法は、マイクロサテライト上にPCRプライマー(例えばCTGCTGCTGCTGAC)を設計し、その間にある"反復配列ではない"配列の1塩基レベルの違いを調べます。
この分析法上の特徴から、生物種ごとに設計された遺伝子マーカーを事前に準備する必要がなくなり、従来法と同等かそれ以上の精度を保ちながら、解析にかかる時間もコストも大幅に減らすことが可能となりました。
(※マイクロサテライト分析については、別途「マイクロサテライト分析」の技術記事をご覧ください)
ナガエツルノゲイトウ(学名 Alternanthera philoxeroides)は、南米原産のヒユ科の多年草で、主に河川、水路、水田などの水辺に生育する外来水生植物です。
本種は、数センチの茎断片からクローン繁殖が可能という強い再生力をもち、成長速度が非常に速いため、河川や水路の水面を埋め尽くすほど繁殖し、生態系や農業へ被害をもたらします。
さらに、一度増えてしまうと駆除が非常に困難なことから、地球上で最悪の侵略的植物と称されることもあり、日本国内では外来生物法により「特定外来生物」に指定されています。
ナガエツルノゲイトウは、2025年12月現在で、日本国内では福島県以南の31都府県で分布が確認されています。
日本では、本種の種子繁殖が確認されていないため、いずれの個体群もクローンで繁殖したものと考えられていますが、遺伝的な集団構造については実際に調査された事例がほとんどありません。